クンネヴァール
パーシヴァルは母の手で、田舎でひっそりと育てられたが、ペリノア王の息子であった。
ペリノア王は、アーサー王とロット王が戦っていた時に、アーサー王に味方してロット王を殺した。そのペリノア王は、ロット王の息子ガウェインに殺される。
パーシヴァルの母は、そうした騎士同士の軋轢や因縁に息子が巻き込まれるのを嫌った。
実際に、パーシヴァルの兄であるラモラックは父ペリノア王の仇を討とうとして命を落としていた。
ウェールズの森で育ったパーシヴァルは素朴で天真爛漫な少年に育ち、パーシヴァルの母はささやかな幸せを感じていた。
ところが、パーシヴァルが15歳の頃、家の近くを騎士達が通るのを見掛けるのであった。
パーシヴァルはキラキラと光る鎧、優雅な馬の足跡、騎士達の逞しいシルエット、そして、その中にいたランスロットの放つ言葉にならない存在感に、身震いするほどの憧れを抱いたのであった。
パーシヴァルの母は息子の様子を目にして、来るべき時が来たのだと観念した。
パーシヴァルは残念がる母に胸を痛めながらキャメロット城へと向かった。
アーサー王と「円卓な騎士」は、パーシヴァルの明るく純粋な人柄と森で培った身体能力を大いに気に入り「谷を駆け抜ける者」と呼んで歓迎した。
パーシヴァルはアーサー王の盃を奪った無礼な騎士を追いかけることになった。
すると、出陣するパーシヴァルに、誠の騎士にしか微笑まないと評判の乙女クンネヴァールがパーシヴァルに微笑んだ。
ケイは日頃から、田舎育ちでみすぼらしい格好をしているパーシヴァルをバカにしていたので、クンネヴァールが微笑んだことに癇が障り、彼女の頬を打った。
パーシヴァルはアーサー王の盃を取り返してくると、ケイを力ずくで懲らしめてクンネヴァールに謝罪するよう求めた。
ランスロットの息子ガラハッドが「円卓の騎士」に加わると、アーサー王はペレス王を癒すために、悲願である聖杯探求の冒険に乗り出す。
キャメロット城との縁も浅からぬペレス王(カーボネックのエレインの父)は、かつて受けた刃の傷に苦しみ、王が病むことによって、国の運営が不十分な状態になっていた。
そのため、肥沃だった国土は荒れ地が目立ち、治安は大きく乱れていた。
聖杯の性質は多くの謎に包まれているのだが、病の治癒などの功徳が言い伝えられていた。
パーシヴァルはガラハッドと出会うと、そのなんとも言えぬ高潔な雰囲気に惹きつけられ、ガラハッドを補佐し続けることを心に決めていた。
パーシヴァルの冒険は苦難と恐怖に満ちていた。
パーシヴァルは毎晩のように強い孤独に襲われるが、毎晩パーシヴァルのそばで眠りにやって来る雌ライオンに慰められた。
しかし、美しい女性の誘惑によって命を落としかけると、パーシヴァルは恥ずかしさと悔しさに涙を流した。愛してもいない女の魅惑の香りと体温に思考が停止し、命の危険をさらした自分が情けなかった。
恥ずかしく悔しくて情けなくて、あまりの寂しさに、雌ライオンが眠りにやってくるのを心待ちにした。しかし、その日を境に雌ライオンは現れなくなり、パーシヴァルは見捨てられたと思い込む。
パーシヴァルは孤独の意味を知った。
その後、パーシヴァルはガラハッド、ボールスと合流し、コルベニクス城で聖杯に辿り着く。
そして、ペレス王を聖杯の功徳によって癒すと、 パーシヴァルとガラハッドとボールスの三人は、さらに聖杯を聖都サラスへと運ぶことになり、その道中でも様々な困難に見舞われるが、三人はどうにか聖杯を聖都サラスまで持ち運ぶことに成功した。
聖都サラスで聖杯は究極の神秘の体験者にガラハッドのみを選ぶ。
パーシヴァルはボールスと共に、ガラハッドが至福に溢れ神々のもとへ召されるのを、祝福と憧憬を持って見届けるのであった。
ガラハッドに運命を捧げると心に誓っていたパーシヴァルは、魂という主を失ったガラハッドの遺体を手厚く埋葬すると、自らは騎士の装いを捨て粗末な衣を身にまとい、簡素な小屋で残りの人生を祈りと瞑想に捧げることにした。
そうして、アーサー王への聖杯探究の一部始終の報告を託されたボールスは、一人、キャメロット城へ帰るのであった。
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