アーサー王物語
パーシヴァルが、アーサー王の盃を奪った無礼な騎士を追いかけることになった時、出陣するパーシヴァルに誠の騎士にしか微笑まないと評判の乙女クンネヴァールが微笑んだ。
「円卓の騎士」の古株ケイは、日頃から田舎育ちでみすぼらしい格好をしているパーシヴァルをバカにしていた。
それなだけに、クンネヴァールがパーシヴァルに微笑んだことが癇が障り、彼女の頬を打った。
パーシヴァルはアーサー王の盃を取り返してくると、ケイを力ずくで懲らしめてクンネヴァールに謝罪するよう求めた。
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このモルドレッドは、後にアーサー王の最大の敵として登場することになる。
激しい嵐の夜、キャメロット城に立派な竪琴を持った一人の騎士が現れる。
騎士はとても疲弊しており、アーサー王に食べ物と宿を求めた。
騎士はお礼に竪琴を奏で物語を歌いだした。
それは、キャメロット城にもその武勇の噂が届くトリスタンを題材にした物語ということもあって、アーサー王も「円卓の騎士」も姫君達も大きな興味を示して物語に耳を傾けた。
トリスタンは、リオネスのメリオダス王と王妃ブランシュフルールの間に生まれるが、メリオダス王はブランシュフルールを捨て別の女性を求めた。
悲しみにくれるブランシュフルールは我が子を「悲しみの子」という意味の「トリスタン」と呼ぶようになった。
成長したトリスタンは自分を騎士として取りたててくれる主君を求めて旅に出るが、トリスタンの類まれな才覚と美しい容姿は、逆に妬みを買い、定住の地を見つけることが出来なかった。
そんなトリスタンをコーンウォールのマルク王は寵愛し、トリスタンはそれを大変に恩に感じ、マルク王に仕えるようになった。
かつて続いていたコーンウォールとアイルランドとの戦いは、コーンウォールがアイルランドへ毎年一定の貢物をすることで和睦がなされた。
コーンウォールはその貢物を送っていなかったが、アイルランドは長いこと黙認していた。
ところが、アイルランドにマーハウスという騎士が現れると、そのあまりの強さからマーハウスは政治的な発言力を増した。
マーハウスはコーンウォールにこれまで滞納した貢物の代わりとして、コーンウォールの子ども3人に一人を奴隷として差し出さなければ、戦争になると脅してきた。
そして、全てを拒否するならば、コーンウォールの騎士が自分と一騎討ちをして勝ってみろと言うのであった。
トリスタンは、マルク王に自分がマーハウスに挑戦をすると名乗り出て、決闘の場に赴く。
対決はトリスタンが圧勝し、マーハウスは瀕死の状態でアイルランドに戻ると間もなく息絶えた。
マルク王は未婚で子がなかった。
そのため、マルク王は寵愛するトリスタンに王位を継がせようとしているのではないかという噂が立つようになる。
ゆえに、マルク王の縁者はトリスタンを疎ましく感じるようになっていった。
トリスタンが、そのような雰囲気をヒシヒシと感じている時であった。
マルク王の頭上を飛んでいた燕から一本の女性の髪の毛が落ちてきた。
その髪の毛は金髪ではあるが、影の中では青みを帯びて、日の光にさらすと炎のように輝き、この世に二つとない魅惑の色彩を放っていた。
マルク王はその髪の毛に想いを寄せるようになり、この髪の毛の持ち主を妻にしたいものだと言い始めた。
トリスタンは、恩義あるマルク王の想いに報いりたいこと、マルク王の縁者からのあらぬ噂を払拭したいことから、自らがその髪の毛の持ち主を探し出してコーンウォールに連れて帰ると言った。
こうしてトリスタンは様々な武勇を見せながら各地を転々とした。
アイルランドの地は狂暴なドラゴンの猛威に悩んでいた。
そこでアイルランドのアグウィサンス王は、ドラゴンを退治した者には身分を問わず娘イゾルデを与えると布告していた。
トリスタンは、ドラゴンを倒せば、かつてマーハウスを殺したことをアイルランドに赦してもらえると考え、ドラゴンの退治に成功するが、力尽きてその場で昏倒する。
イゾルデは侍女らと倒れているトリスタンを発見して城に連れて帰る。
介抱する中でイゾルデはトリスタンが、かつて叔父マーハウスを殺した騎士であることに気付くが、トリスタンを赦すことにした。
回復したトリスタンは、この金髪のイゾルデこそが、主君マルク王が探しもとめている女性だと気がついた。
一方で、トリスタンは一目見た瞬間に体中が彼女を欲しているのを感じた。
そして、トリスタンはドラゴンを倒したということでアグウィサンス王と会う。
トリスタンは主君マルク王が金髪のイゾルデを求めていること、そして、コーンウォールとアイルランドの友好のために金髪のイゾルデがマルク王妃となることを求めた。
アグウィサンス王は、娘はドラゴンを退治した者に嫁がせるつもりであったが、退治した者の主君に嫁がせることは道理に反していないこと、そして、トリスタンの言うアイルランドとコーンウォールの友好のキッカケにも納得し、金髪のイゾルデをマルク王に嫁がせることを決めた。
トリスタンが金髪のイゾルデをコーンウォールに連れて帰る道中、二人は夢のような時間を過ごした。
お互いに惹かれあっていることは間違いなかった。
二人は想う相手に想われている喜びを存分に味わうのであった。
マルク王は金髪のイゾルデを目にすると大いに気に入り、トリスタンはその様子にただただ胸を痛めた。
金髪のイゾルデがマルク王に嫁いでから、トリスタンは常に忠義と恋愛に葛藤して苦しむことになった。マルク王を養父として尊敬していたが、金髪のイゾルデへの想いを断ち切ることは出来なかった。
そして、それは、金髪のイゾルデも同じであった。
優しいマルク王はトリスタンと出会わなければ間違いなく惹かれたであろう人物だったが、トリスタンへの想いを断ち切ることなど不可能であった。
トリスタンと金髪のイゾルデは、やがて密かに逢瀬を重ねるようになるが、やがてその間柄は露見してしまう。
マルク王は、一度は二人に死刑を宣告するが、金髪のイゾルデを愛していたこと、トリスタンを寵愛していたことから、トリスタンの国外追放処分で事は治まった。
トリスタンがコーンウォールを去る時、金髪のイゾルデは
「二人がこの世界のどこにいようとも、私の夫は未来永劫あなたです。」
そう言って、金の指輪を渡すのであった。
そうして、トリスタン各地を転々と流浪することになった。
「トリスタン、物語は終わりですか?」王妃グィネヴィアは言った。
金色の指輪を光らす指は、竪琴を奏でるのを止めていた。
この嵐の夜から、トリスタンは「円卓の騎士」に加わることになり、多くの活躍をした。
トリスタンがブルターニュに流れ着いた時、その地のホエル王と息子のカルヘルディンは、ヨヴェリン公爵なる人物から激しい攻撃を受けていた。
ホエル王の娘であり、カルヘルディンの妹である王女は、この世の者とは思えないほど透き通るような白い肌の持ち主で、白い手のイゾルデと呼ばれていた。
ヨヴェリン公爵は、その白い手のイゾルデを力ずくで奪い取ろうとしていたのであった。
トリスタンはホエル王に加勢し、見事にヨヴェリン公爵の軍団を追い返してみせた。
ホエル王は感謝の気持ちを込めて、娘である白い手のイゾルデをもらってくれないかと、トリスタンに申し出た。
トリスタンは白い手のイゾルデがあまりに美しいため、断って恥をかかせるのは忍びない思いがした。
また、トリスタン自身が幸福に飢えてもいた。
誰かの体温を感じ、誰かの鼓動を聴いて、自分が生きていることをトリスタンは確認したかった。
白い手のイゾルデ
トリスタンは妻を裏切らない立派な夫であった。
ただし、妻に愛されたほどに、妻を愛することは、どうしても出来なかった。
それから、再びブルターニュは戦禍に巻き込まれ、トリスタンは瀕死の重傷を負うことになった。
トリスタンは日に日に衰弱していき、もはや自分の命が長くないことを悟ると、最後に金髪のイゾルデを一目見たいと切に願った。
トリスタンは、使者に金髪のイゾルデにもらった指輪を持たせてコーンウォールに行くように命じた。
そして、帰りの船に金髪のイゾルデが乗っているのであれば船に白い帆を、船に金髪のイゾルデが乗っていなければ黒い帆を掲げてくれと頼んだ。
そうして、トリスタンが今まさに虫の息となり、白い手のイゾルデがトリスタンの手を握りしめていたその時、コーンウォールからの船が向かって来ているという知らせが入る。
トリスタンは白い手のイゾルデに船の帆の色をたずねた。
白い手のイゾルデは、船の帆が白いことを確認すると
「船には黒い帆が掲げられています。」
と答えるのであった。
金髪のイゾルデを一目見たい、その想いで気力を振り絞っていたトリスタンは、その言葉を聞くと、静かに息を引き取った。
数時間後、事切れたトリスタンのもとに到着した金髪のイゾルデは、トリスタンの亡骸に覆いかぶさると、悲しみのあまり離れようとせず、いつの間にか彼女も息を引き取っていた。
事の顛末を伝え聞いたマルク王は、悲しみの言葉も許しの言葉も一言も述べず、トリスタンと金髪のイゾルデの遺体をコーンウォールに運び、二人を同じ墓に埋葬した。
墓は、トリスタンの眠っている側からハシバミが生え、金髪のイゾルデの眠っている側からスイカズラが生え、共にお互いの方に枝を伸ばし、二度と離れまいと、枝は複雑に絡まりあっていた。
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パーシヴァルは母の手で、田舎でひっそりと育てられたが、ペリノア王の息子であった。
ペリノア王は、アーサー王とロット王が戦っていた時に、アーサー王に味方してロット王を殺した。そのペリノア王は、ロット王の息子ガウェインに殺される。
パーシヴァルの母は、そうした騎士同士の軋轢や因縁に息子が巻き込まれるのを嫌った。
実際に、パーシヴァルの兄であるラモラックは父ペリノア王の仇を討とうとして命を落としていた。
ウェールズの森で育ったパーシヴァルは素朴で天真爛漫な少年に育ち、パーシヴァルの母はささやかな幸せを感じていた。
ところが、パーシヴァルが15歳の頃、家の近くを騎士達が通るのを見掛けるのであった。
パーシヴァルはキラキラと光る鎧、優雅な馬の足跡、騎士達の逞しいシルエット、そして、その中にいたランスロットの放つ言葉にならない存在感に、身震いするほどの憧れを抱いたのであった。
パーシヴァルの母は息子の様子を目にして、来るべき時が来たのだと観念した。
パーシヴァルは残念がる母に胸を痛めながらキャメロット城へと向かった。
アーサー王と「円卓な騎士」は、パーシヴァルの明るく純粋な人柄と森で培った身体能力を大いに気に入り「谷を駆け抜ける者」と呼んで歓迎した。
パーシヴァルはアーサー王の盃を奪った無礼な騎士を追いかけることになった。
すると、出陣するパーシヴァルに、誠の騎士にしか微笑まないと評判の乙女クンネヴァールがパーシヴァルに微笑んだ。
ケイは日頃から、田舎育ちでみすぼらしい格好をしているパーシヴァルをバカにしていたので、クンネヴァールが微笑んだことに癇が障り、彼女の頬を打った。
パーシヴァルはアーサー王の盃を取り返してくると、ケイを力ずくで懲らしめてクンネヴァールに謝罪するよう求めた。
ランスロットの息子ガラハッドが「円卓の騎士」に加わると、アーサー王はペレス王を癒すために、悲願である聖杯探求の冒険に乗り出す。
キャメロット城との縁も浅からぬペレス王(カーボネックのエレインの父)は、かつて受けた刃の傷に苦しみ、王が病むことによって、国の運営が不十分な状態になっていた。
そのため、肥沃だった国土は荒れ地が目立ち、治安は大きく乱れていた。
聖杯の性質は多くの謎に包まれているのだが、病の治癒などの功徳が言い伝えられていた。
パーシヴァルはガラハッドと出会うと、そのなんとも言えぬ高潔な雰囲気に惹きつけられ、ガラハッドを補佐し続けることを心に決めていた。
パーシヴァルの冒険は苦難と恐怖に満ちていた。
パーシヴァルは毎晩のように強い孤独に襲われるが、毎晩パーシヴァルのそばで眠りにやって来る雌ライオンに慰められた。
しかし、美しい女性の誘惑によって命を落としかけると、パーシヴァルは恥ずかしさと悔しさに涙を流した。愛してもいない女の魅惑の香りと体温に思考が停止し、命の危険をさらした自分が情けなかった。
恥ずかしく悔しくて情けなくて、あまりの寂しさに、雌ライオンが眠りにやってくるのを心待ちにした。しかし、その日を境に雌ライオンは現れなくなり、パーシヴァルは見捨てられたと思い込む。
パーシヴァルは孤独の意味を知った。
その後、パーシヴァルはガラハッド、ボールスと合流し、コルベニクス城で聖杯に辿り着く。
そして、ペレス王を聖杯の功徳によって癒すと、 パーシヴァルとガラハッドとボールスの三人は、さらに聖杯を聖都サラスへと運ぶことになり、その道中でも様々な困難に見舞われるが、三人はどうにか聖杯を聖都サラスまで持ち運ぶことに成功した。
聖都サラスで聖杯は究極の神秘の体験者にガラハッドのみを選ぶ。
パーシヴァルはボールスと共に、ガラハッドが至福に溢れ神々のもとへ召されるのを、祝福と憧憬を持って見届けるのであった。
ガラハッドに運命を捧げると心に誓っていたパーシヴァルは、魂という主を失ったガラハッドの遺体を手厚く埋葬すると、自らは騎士の装いを捨て粗末な衣を身にまとい、簡素な小屋で残りの人生を祈りと瞑想に捧げることにした。
そうして、アーサー王への聖杯探究の一部始終の報告を託されたボールスは、一人、キャメロット城へ帰るのであった。
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ガラハッドは、アリマタヤのヨセフの末裔カーボネックのエレインが、魔法の薬の幻覚によって自分を王妃グィネヴィアと誤認させランスロットと一夜を共にしてできた子であった。
成長したガラハッドが父ランスロットに会いに行くと、アーサー王に引き合わされ「円卓の騎士」に加えられた。
多くの武勇を誇った「円卓の騎士」は今なお最高の騎士集団ではあったが、主要メンバーの高齢化に伴い、最も輝かしい時期が過ぎていることは皆が感じていた。
ガラハッドは、そんな折に現れた過去の栄光ではない全く新しい可能性であった。
キャメロット城との縁も浅からぬペレス王は、かつて受けた刃の傷に苦しみ、王が病むことによって、国の運営が不十分な状態になっていた。そのため、肥沃だった国土は荒れ地が目立ち、治安は大きく乱れていた。
アーサー王と「円卓の騎士」は、このガラハッドの登場を機に、悲願である聖杯探究に乗り出すことにする。
聖杯の性質は多くの謎に包まれているのだが、病の治癒などの功徳が言い伝えられていた。
そして「純潔」「謙遜」「忍耐」の徳を備えた騎士のみが聖杯探究に成功するとも言い伝えられていた。
「円卓の騎士」は聖杯を求めて、各々の冒険に旅立っていくが、その多くが心身に大きなダメージを負ってキャメロット城に戻ることとなった。
そして、命を落とす者も少なくなかった。
その盾を手にする者は、それにふさわしい人物でない限り、三日以内に死ぬか一生ものの傷を負うと言われていた。
その盾を手にしてしまった者は、白い鎧を身にまとった騎士に打ち倒され、盾をガラハッドに渡すように命じられた。
その盾は、アリマタヤのヨセフの息子が作った「世に最高の騎士」のみが持てる盾であった。
アリマタヤのヨセフの末裔ガラハッドは、鮮血に染まった新雪のような白地に赤い十字の紋章の盾を手に入れた。
ガラハッドがある城に向かおうとすると、通りすがりの老人が、あの城に立ち寄る騎士は必ず殺されるので別の道を選ぶように勧められる
その昔、その城は、屈強な7人の騎士が乗っ取り、近くに住む乙女達を、近くを通る乙女を、乙女という乙女を捕えて、閉じ込め続けているため、乙女の城と呼ばれるようになった。
ガラハッドが老人の忠告を無視すると、7人の屈強な騎士に襲われるが、ガラハッドは7人の騎士をこともなく打ち倒し、閉じ込められていた乙女達を解放した。
ガラハッドは、パーシヴァル、ボールスと合流し、さらにパーシヴァルの妹ディンドランとも少しのあいだ行動を共にすることになった。
ガラハッドの剣の剣帯はボロボロになっていたが、ガラハッドの剣の剣帯は罪なき乙女が自身の最も大事なもので作ったものでなくてはならなかった。
ディンドランは罪なき乙女だったので、彼女は少年のように頭を刈ると大事な髪の毛でガラハッドの剣帯を編む。
ガラハッドはディンドランにひざまずくと「私はそなたの騎士です。永遠に。」と言った。
その後、呪われた老女を助ける為に自らの命を差し出したディンドランは、自分の墓は聖都サラスに作って欲しいと願いながら息をひきとる。
ガラハッド、パーシヴァル、ボールスの三人はコルベニクス城で聖杯に辿り着くと、聖杯の功徳によってすぐにペレス王の傷を癒した。
こうしてペレス王は復調し、国は再び繁栄を取り戻さんとした。
三人はさらに聖杯を聖都サラスへと運ぶことになる。
その道中でも様々な困難に見舞われるが、三人はどうにか聖杯を聖都サラスまで持ち運ぶことに成功した。
すると、聖杯は最後にガラハッドのみを選んだ。
ガラハッドは神々しい光に包まれると、この世では見えない色彩に見とれ、この世では嗅げない芳香を嗅ぎ、この世では聴くことの出来ない旋律に酔いしれ、やがて魂は肉体の束縛から解放され、圧倒的な快感と歓喜と共に神々のもとに召されるのであった。
パーシヴァルとボールスはその眩い様子を祝福と憧憬を持って見守った。
ガラハッドの遺体は、パーシヴァルによってディンドランの墓の隣に埋葬された。
わがよき刃は人の兜を割り
わが硬き槍はまっすぐに貫き
わが強さは10人の力にひとしい
それはわが心が純粋だから
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モルドレッドは、アーサー王が王妃グィネヴィアと出会う以前に、アーサーとその姉モルゴースとの間に出来た不義の子であった。
魔術師マーリンは「5月1日に生まれた子供が、アーサーの王国を滅ぼすだろう」と予言した。
魔術師マーリン
モルドレッドは自身の生まれを理解し、不吉な子と呼ばれ、その人格形成は大きく歪んでいった。
モルドレッドは、成長する過程で父が栄光あるブリテン大王であることを知ると、ふつふつと怨念と野心が強くなっていった。
父の王位を継ぐのではなく、壊したい。
不遇な幼少期、後ろめたい出生、その全てがモルドレッドのせいではなかった。
父への怨念、怨念こそがモルドレッドであった。
モルドレッドは騎士としての鍛錬を怠らず、勉学にも熱心に取り組んだ。
有無を言わせぬ騎士としての実力をつけたモルドレッドは父アーサー王のいるキャメロット城に現れた。
モルドレッドはアーサー王の目の前に立つと
「父上。」
と切り出した。
アーサーはその一言で全てを察し、快く我が息子モルドレッドを「円卓の騎士」に加えた。
しかし、モルドレッドは、アーサーの表情が時間にもならないほんの一瞬だけ曇ったのを見逃さなかった。
アーサーにとってモルドレッドの存在そのものが自らの歴史の暗部であった。
「円卓の騎士」の中にはロット王(ガウェイン達の父)がペリノア王(パーシヴァル達の父)に殺されたことによる軋轢があった。
ガウェインはペノリア王を殺し、ラモラック(ペリノア王の息子)はガウェインを殺す口実を探していた。
そういった話はモルドレッドの大好物であった。
モルドレッドはラモラックを殺し、これを機にガウェインの弟達との結束を強めていく。
モルドレッドの野心は衰えることなく、「円卓の騎士」として働きながら、キャメロット城内の人間関係に目を光らせ、絶えず人間観察をしていた。
モルドレッドはすぐに「円卓の騎士」の筆頭格である「騎士のなかの騎士」ランスロットと王妃グィネヴィアが不倫関係にあることを気付いた。
そして、不倫は死刑という法律を王自らがないがしろにするわけにもいかず、しかし、親友ランスロットと妻グィネヴィアを殺したくなく、嫉妬心を抑えて気付かないふりをしているアーサーに対して、モルドレッドは度々
「父上は気付いているはずです。」
とプレッシャーをかけ、来るべき日に決断を鈍らせないように伏線をはっていた。
ついにモルドレッドの計画で、ランスロットとグィネヴィアの不倫関係の現場をおさえると、ランスロットは獲り逃すものの、グィネヴィアは捕えることに成功する。
「父上、王として、法をお守り下さい。」
こうして、王妃グィネヴィアの死刑が宣告されるが、処刑の日に現れたランスロットが圧倒的な武勇と超人的な馬術でグィネヴィアを救出するのであった。
アーサーはすぐにランスロット討伐に乗り出し、モルドレッドはその留守を任された。
アーサーとランスロットが、これ以上の犠牲を出さないために、グィネヴィアの返還を条件に戦いに終止符を打ち、一足先にグウィネヴィアがキャメロット城に戻ってくる。
モルドレッドはグィネヴィアを強引に自分の妻にし、自らがアーサーに替わりブリテン大王となることを宣言する。
モルドレッドがアーサーへの謀反軍を起こすと、キャメロット城の繁栄を妬んでいた周辺の豪族や諸侯が次に次にモルドレッドに味方した。
モルドレッド軍とアーサー軍はカムランの地で衝突し「カムランの戦い」は、これまでこの地上で起きたいかなる争いよりも激しく凄惨なものとなった。
多くの犠牲を出しながら、モルドレッドとアーサーが直接対峙した。
アーサーの槍がモルドレッドの腹を貫通した刹那、モルドレッドの剣は渾身の力でアーサーの脳天を叩き割った。
モルドレッドは即死し、アーサー王もその後すぐに絶命した。
全てを壊したい
自分さえも
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ガウェインの父はオークニーのロット王、母はアーサー王の異父姉モルゴースである。
アーサー王はかつて父と戦った相手ではあるが、王の子であるガウェインは、戦争の敵味方というのはその時々の利害関係が影響することを重々に承知であった。
それよりも、一人前の騎士として徳の高い王に仕えたいという純粋な気持ちから、ブリテンを統一したアーサーのもとに馳せ参じた。
また、ガウェインには朝から正午までは力が3倍になるという不思議な特性があった。
全身を神々しい緑色の衣装に身を包み、その姿は巨体というより巨人ような騎士が、遠い田舎から「円卓の騎士」の武勇を耳にしてキャメロット城を訪れた。
その緑の騎士は噂に名高い「円卓の騎士」がどんなものなのか知りたいと挑発してきた。
そうして、緑の騎士は、手にしていた大きな戦斧を自分の首に振りおろし、一年と一日後に今度は自分に同じことをさせると誓える挑戦者を求めた。
誰も名乗り出ないので、緑の騎士が高笑いと共に侮辱的な言葉を「円卓の騎士」にあびせるので、アーサー王が挑戦しようとすると、それを制するようにガウェインが名乗り出た。
こうして、ガウェインが戦斧を緑の騎士の首に振ると、緑の騎士の頭は胴体から離れる。
ところが、胴体は離れた頭を拾い上げると「一年と一日後に待っている。」と言い残して去って行く。
それからの一年近く、ガウェインは死刑執行を待つ心持ちで苦しい苦しい時間を過ごすことになる。
緑の騎士
約束の日の3日前から、ガウェインは約束の場所まで2時間ほどの距離にある館で過ごす。
親切な館の主人は3日間、ガウェインのために狩りに出た。
一方、館の主人が狩りに出ると、王妃グィネヴィアよりも美しい館の奥方がガウェインを誘惑する。
ガウェインは「親切なご主人を裏切れない。」と奥方のプライドを傷つけないように、礼儀正しく丁寧に断った。
そんなことが3日間繰り返された。
そうして、約束の日にガウェインが緑の騎士に会いに行くと、緑の騎士はガウェインの首に戦斧を振り落とす。
戦斧はガウェインの首をはずして頬をかすめた。
ガウェインが頭を上げると、緑の騎士は館の主人に姿を変え「誘惑と恐怖に打ち勝った君を赦そう。」と言うのであった。
アーサー王が世にも醜い貴婦人に助けられた時に「どんなものでも与える。」と約束すると、世にも醜い貴婦人は「円卓の騎士」から夫が欲しいと答えた。
困り果てたアーサー王が、その事情を「円卓の騎士」に話すと、ひとまず皆でその世にも醜い貴婦人に挨拶に行くことにした。
世にも醜い貴婦人は、片目が潰れ、歯は何本も欠けており、ヒゲが生え、縮れた白髪が不格好に伸び、さらに悪臭も放ち、名をラグネルといった。
「円卓の騎士」は皆、アーサー王に対する高い忠誠心を持っていたが、ラグネルのあまりに醜い容姿に皆、尻込みをした。
誰もがバツ悪く視線を泳がせる中で、ガウェインだけはジッとラグネルを見据えていた。
ガウェインはラグネルの瞳に潜む哀愁と気高さを感じ、深い同情と計り知れない尊敬を抱くのであった。
そして、ガウェインは名乗り出た。
「ラグネルよ。私の妻になって下さるか?」
そうして、数日後に結婚式が予定され、一同はラグネルを連れてキャメロット城に引き返した。
あのガウェインの妻となる女の醜さに城内は大きくザワついた。
ガウェインに憧れる婦女子達からは悲鳴すらもれていた。
結婚式の前日の夜、ガウェインとラグネルが二人きりになると、ラグネルの姿は若く光り輝くほどに美しくなっていた。
ラグネルは
「これが私の本当の姿です。私はあの世にも醜い姿で愛してくれる男性が現れると、昼と夜のどちらかだけ元の姿でいられるのです。選んで下さい。」と言った。
ガウェインは
「では、昼だ。愛する妻が城内で見下されるのは面白くない。私はオマエを愛しているから夜は醜くても構わない。」と返事した。
それに対してラグネルは「あなたは私に愛する夫の前で醜くいろと言うのですか?」と返した。
ガウェインは「では、オマエが好きな方が私の答えだ。」と言った。
するとラグネルは
「それでは昼と夜の両方に致します。私の呪いは愛してくれる男性が現れると昼と夜のどちらか、そして、その男性が騎士らしく私の名誉を守ってくれたら昼も夜も両方、元の姿に戻れるというものでした。」と答えた。
こうして、ラグネルは完全に元の姿に戻るのであった。
しかし、愛する妻を得て前途洋々に思えたガウェインも、王妃グィネヴィアとランスロットの不倫によるキャメロット城の混乱に巻き込まれていくのであった。
キャメロット城にアーサーの息子モルドレッドが現れると、ランスロットと王妃グィネヴィアの不倫関係は白日の下にさらされていった。
モルドレッドの計画で不倫関係の現場をおさえると、ランスロットは逃亡に成功するが、グィネヴィアは捕えられた。
この時に、ランスロットの抵抗にあい、12人の騎士が命を落とした。
その中には、ガウェインの息子ロヴェル、フローレンス、ガングラン、さらにガウェインの弟アグラヴェインが含まれていた。
法に従いグィネヴィアには死刑が宣告され、ガウェインの弟であるガヘリスとガレスは処刑台の警備に着くことになった。
グィネヴィアを処刑から救出に現れたランスロットに、今度はガウェインの弟ガヘリス、ガレスが殺される。
ガウェインにとってランスロットは親友であったが、肉親達を討たれた怒りは凄まじいものとなった。
アーサーはすぐにランスロット討伐に乗り出すが、多くの尊敬を集めるランスロットに味方する者も多く、アーサー軍とランスロット軍の戦いは激しいものとなる。
ガウェインははやる気持ちを抑えきれず、ランスロットに一騎討ちを要求した。
ガウェインとランスロットの実力はややランスロットが上ともいわれていたが、弟を殺された怒りを持つガウェインの勢いはその僅かな差を埋めるものであった。
「円卓の騎士」を代表する二人の戦いは、ふいに近寄れば巻き込まれて命を失いかねない凄まじいものとなる。
ガウェインは朝から正午までは力が3倍になるという不思議な特性があったが、ランスロットはそれを逆手にとり、ガウェインの力が強い時は防御にまわって体力を消耗させ、力の強くない時間に攻撃に転じた。
こうして、ガウェインはランスロットに敗れ、親友の手によってその生涯を終える。