モルドレッドは、アーサー王が王妃グィネヴィアと出会う以前に、アーサーとその姉モルゴースとの間に出来た不義の子であった。
魔術師マーリンは「5月1日に生まれた子供が、アーサーの王国を滅ぼすだろう」と予言した。
魔術師マーリン
モルドレッドは自身の生まれを理解し、不吉な子と呼ばれ、その人格形成は大きく歪んでいった。
モルドレッドは、成長する過程で父が栄光あるブリテン大王であることを知ると、ふつふつと怨念と野心が強くなっていった。
父の王位を継ぐのではなく、壊したい。
不遇な幼少期、後ろめたい出生、その全てがモルドレッドのせいではなかった。
父への怨念、怨念こそがモルドレッドであった。
モルドレッドは騎士としての鍛錬を怠らず、勉学にも熱心に取り組んだ。
有無を言わせぬ騎士としての実力をつけたモルドレッドは父アーサー王のいるキャメロット城に現れた。
モルドレッドはアーサー王の目の前に立つと
「父上。」
と切り出した。
アーサーはその一言で全てを察し、快く我が息子モルドレッドを「円卓の騎士」に加えた。
しかし、モルドレッドは、アーサーの表情が時間にもならないほんの一瞬だけ曇ったのを見逃さなかった。
アーサーにとってモルドレッドの存在そのものが自らの歴史の暗部であった。
「円卓の騎士」の中にはロット王(ガウェイン達の父)がペリノア王(パーシヴァル達の父)に殺されたことによる軋轢があった。
ガウェインはペノリア王を殺し、ラモラック(ペリノア王の息子)はガウェインを殺す口実を探していた。
そういった話はモルドレッドの大好物であった。
モルドレッドはラモラックを殺し、これを機にガウェインの弟達との結束を強めていく。
モルドレッドの野心は衰えることなく、「円卓の騎士」として働きながら、キャメロット城内の人間関係に目を光らせ、絶えず人間観察をしていた。
モルドレッドはすぐに「円卓の騎士」の筆頭格である「騎士のなかの騎士」ランスロットと王妃グィネヴィアが不倫関係にあることを気付いた。
そして、不倫は死刑という法律を王自らがないがしろにするわけにもいかず、しかし、親友ランスロットと妻グィネヴィアを殺したくなく、嫉妬心を抑えて気付かないふりをしているアーサーに対して、モルドレッドは度々
「父上は気付いているはずです。」
とプレッシャーをかけ、来るべき日に決断を鈍らせないように伏線をはっていた。
ついにモルドレッドの計画で、ランスロットとグィネヴィアの不倫関係の現場をおさえると、ランスロットは獲り逃すものの、グィネヴィアは捕えることに成功する。
「父上、王として、法をお守り下さい。」
こうして、王妃グィネヴィアの死刑が宣告されるが、処刑の日に現れたランスロットが圧倒的な武勇と超人的な馬術でグィネヴィアを救出するのであった。
アーサーはすぐにランスロット討伐に乗り出し、モルドレッドはその留守を任された。
アーサーとランスロットが、これ以上の犠牲を出さないために、グィネヴィアの返還を条件に戦いに終止符を打ち、一足先にグウィネヴィアがキャメロット城に戻ってくる。
モルドレッドはグィネヴィアを強引に自分の妻にし、自らがアーサーに替わりブリテン大王となることを宣言する。
モルドレッドがアーサーへの謀反軍を起こすと、キャメロット城の繁栄を妬んでいた周辺の豪族や諸侯が次に次にモルドレッドに味方した。
モルドレッド軍とアーサー軍はカムランの地で衝突し「カムランの戦い」は、これまでこの地上で起きたいかなる争いよりも激しく凄惨なものとなった。
多くの犠牲を出しながら、モルドレッドとアーサーが直接対峙した。
アーサーの槍がモルドレッドの腹を貫通した刹那、モルドレッドの剣は渾身の力でアーサーの脳天を叩き割った。
モルドレッドは即死し、アーサー王もその後すぐに絶命した。
全てを壊したい
自分さえも
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