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激しい嵐の夜、キャメロット城に立派な竪琴を持った一人の騎士が現れる。

 

騎士はとても疲弊しており、アーサー王に食べ物と宿を求めた。

 

騎士はお礼に竪琴を奏で物語を歌いだした。

 

 

それは、キャメロット城にもその武勇の噂が届くトリスタンを題材にした物語ということもあって、アーサー王も「円卓の騎士」も姫君達も大きな興味を示して物語に耳を傾けた。

 

 

 


 

トリスタンは、リオネスのメリオダス王と王妃ブランシュフルールの間に生まれるが、メリオダス王はブランシュフルールを捨て別の女性を求めた。

 

悲しみにくれるブランシュフルールは我が子を「悲しみの子」という意味の「トリスタン」と呼ぶようになった。

 

 

成長したトリスタンは自分を騎士として取りたててくれる主君を求めて旅に出るが、トリスタンの類まれな才覚と美しい容姿は、逆に妬みを買い、定住の地を見つけることが出来なかった。

 

 

そんなトリスタンをコーンウォールのマルク王は寵愛し、トリスタンはそれを大変に恩に感じ、マルク王に仕えるようになった。

 

 トリスタン&マルク王


かつて続いていたコーンウォールとアイルランドとの戦いは、コーンウォールがアイルランドへ毎年一定の貢物をすることで和睦がなされた。

 

 

コーンウォールはその貢物を送っていなかったが、アイルランドは長いこと黙認していた。

 

 

ところが、アイルランドにマーハウスという騎士が現れると、そのあまりの強さからマーハウスは政治的な発言力を増した。

 

 

マーハウスはコーンウォールにこれまで滞納した貢物の代わりとして、コーンウォールの子ども3人に一人を奴隷として差し出さなければ、戦争になると脅してきた。

 

そして、全てを拒否するならば、コーンウォールの騎士が自分と一騎討ちをして勝ってみろと言うのであった。

 

 

トリスタンは、マルク王に自分がマーハウスに挑戦をすると名乗り出て、決闘の場に赴く。

 

対決はトリスタンが圧勝し、マーハウスは瀕死の状態でアイルランドに戻ると間もなく息絶えた。

 

トリスタンとマーハウス
 

マルク王は未婚で子がなかった。

 

そのため、マルク王は寵愛するトリスタンに王位を継がせようとしているのではないかという噂が立つようになる。

 

ゆえに、マルク王の縁者はトリスタンを疎ましく感じるようになっていった。

 

 

トリスタンが、そのような雰囲気をヒシヒシと感じている時であった。

 

 

マルク王の頭上を飛んでいた燕から一本の女性の髪の毛が落ちてきた。

 

その髪の毛は金髪ではあるが、影の中では青みを帯びて、日の光にさらすと炎のように輝き、この世に二つとない魅惑の色彩を放っていた。

 

マルク王はその髪の毛に想いを寄せるようになり、この髪の毛の持ち主を妻にしたいものだと言い始めた。

 

 

トリスタンは、恩義あるマルク王の想いに報いりたいこと、マルク王の縁者からのあらぬ噂を払拭したいことから、自らがその髪の毛の持ち主を探し出してコーンウォールに連れて帰ると言った。

 

 

こうしてトリスタンは様々な武勇を見せながら各地を転々とした。


トリスタン2

アイルランドの地は狂暴なドラゴンの猛威に悩んでいた。

 

そこでアイルランドのアグウィサンス王は、ドラゴンを退治した者には身分を問わず娘イゾルデを与えると布告していた。

 

 

トリスタンは、ドラゴンを倒せば、かつてマーハウスを殺したことをアイルランドに赦してもらえると考え、ドラゴンの退治に成功するが、力尽きてその場で昏倒する。

 

 

イゾルデは侍女らと倒れているトリスタンを発見して城に連れて帰る。

 

介抱する中でイゾルデはトリスタンが、かつて叔父マーハウスを殺した騎士であることに気付くが、トリスタンを赦すことにした。

 

 

回復したトリスタンは、この金髪のイゾルデこそが、主君マルク王が探しもとめている女性だと気がついた。

一方で、トリスタンは一目見た瞬間に体中が彼女を欲しているのを感じた。

 

 

そして、トリスタンはドラゴンを倒したということでアグウィサンス王と会う。

 

トリスタンは主君マルク王が金髪のイゾルデを求めていること、そして、コーンウォールとアイルランドの友好のために金髪のイゾルデがマルク王妃となることを求めた。

 
 

アグウィサンス王は、娘はドラゴンを退治した者に嫁がせるつもりであったが、退治した者の主君に嫁がせることは道理に反していないこと、そして、トリスタンの言うアイルランドとコーンウォールの友好のキッカケにも納得し、金髪のイゾルデをマルク王に嫁がせることを決めた。

 

トリスタンとイゾルデ

トリスタンが金髪のイゾルデをコーンウォールに連れて帰る道中、二人は夢のような時間を過ごした。

 

お互いに惹かれあっていることは間違いなかった。

 

二人は想う相手に想われている喜びを存分に味わうのであった。

 

 

 

マルク王は金髪のイゾルデを目にすると大いに気に入り、トリスタンはその様子にただただ胸を痛めた。

 

 

金髪のイゾルデがマルク王に嫁いでから、トリスタンは常に忠義と恋愛に葛藤して苦しむことになった。マルク王を養父として尊敬していたが、金髪のイゾルデへの想いを断ち切ることは出来なかった。

 

 

そして、それは、金髪のイゾルデも同じであった。

優しいマルク王はトリスタンと出会わなければ間違いなく惹かれたであろう人物だったが、トリスタンへの想いを断ち切ることなど不可能であった。

 

 

トリスタンと金髪のイゾルデは、やがて密かに逢瀬を重ねるようになるが、やがてその間柄は露見してしまう。

 

見つかるトリスタンとイゾルデ
 

マルク王は、一度は二人に死刑を宣告するが、金髪のイゾルデを愛していたこと、トリスタンを寵愛していたことから、トリスタンの国外追放処分で事は治まった。

 

 

 

トリスタンがコーンウォールを去る時、金髪のイゾルデは

 

「二人がこの世界のどこにいようとも、私の夫は未来永劫あなたです。」

 

そう言って、金の指輪を渡すのであった。

 

 

そうして、トリスタン各地を転々と流浪することになった。

 
 

 トリスタン1


「トリスタン、物語は終わりですか?」王妃グィネヴィアは言った。

 

金色の指輪を光らす指は、竪琴を奏でるのを止めていた。

 

 

この嵐の夜から、トリスタンは「円卓の騎士」に加わることになり、多くの活躍をした。

 

 

 

 

トリスタンがブルターニュに流れ着いた時、その地のホエル王と息子のカルヘルディンは、ヨヴェリン公爵なる人物から激しい攻撃を受けていた。

 

 

ホエル王の娘であり、カルヘルディンの妹である王女は、この世の者とは思えないほど透き通るような白い肌の持ち主で、白い手のイゾルデと呼ばれていた。

 

 

ヨヴェリン公爵は、その白い手のイゾルデを力ずくで奪い取ろうとしていたのであった。

 

 

トリスタンはホエル王に加勢し、見事にヨヴェリン公爵の軍団を追い返してみせた。

 

 

ホエル王は感謝の気持ちを込めて、娘である白い手のイゾルデをもらってくれないかと、トリスタンに申し出た。

 

 

トリスタンは白い手のイゾルデがあまりに美しいため、断って恥をかかせるのは忍びない思いがした。

 

また、トリスタン自身が幸福に飢えてもいた。

 

誰かの体温を感じ、誰かの鼓動を聴いて、自分が生きていることをトリスタンは確認したかった。

 

白い手のイゾルデ2
  
白い手のイゾルデ
 

トリスタンは妻を裏切らない立派な夫であった。

ただし、妻に愛されたほどに、妻を愛することは、どうしても出来なかった。

 

 

それから、再びブルターニュは戦禍に巻き込まれ、トリスタンは瀕死の重傷を負うことになった。

 

 

トリスタンは日に日に衰弱していき、もはや自分の命が長くないことを悟ると、最後に金髪のイゾルデを一目見たいと切に願った。

 


 

トリスタンは、使者に金髪のイゾルデにもらった指輪を持たせてコーンウォールに行くように命じた。

そして、帰りの船に金髪のイゾルデが乗っているのであれば船に白い帆を、船に金髪のイゾルデが乗っていなければ黒い帆を掲げてくれと頼んだ。

 


 

そうして、トリスタンが今まさに虫の息となり、白い手のイゾルデがトリスタンの手を握りしめていたその時、コーンウォールからの船が向かって来ているという知らせが入る。

 

 

トリスタンは白い手のイゾルデに船の帆の色をたずねた。

 

白い手のイゾルデ
 

白い手のイゾルデは、船の帆が白いことを確認すると

 

「船には黒い帆が掲げられています。」

 

と答えるのであった。

 

 

金髪のイゾルデを一目見たい、その想いで気力を振り絞っていたトリスタンは、その言葉を聞くと、静かに息を引き取った。

 

 

数時間後、事切れたトリスタンのもとに到着した金髪のイゾルデは、トリスタンの亡骸に覆いかぶさると、悲しみのあまり離れようとせず、いつの間にか彼女も息を引き取っていた。


トリスタンの最後
 

事の顛末を伝え聞いたマルク王は、悲しみの言葉も許しの言葉も一言も述べず、トリスタンと金髪のイゾルデの遺体をコーンウォールに運び、二人を同じ墓に埋葬した。

 

 

 

墓は、トリスタンの眠っている側からハシバミが生え、金髪のイゾルデの眠っている側からスイカズラが生え、共にお互いの方に枝を伸ばし、二度と離れまいと、枝は複雑に絡まりあっていた。



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